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TOKYO MER走る緊急救命室を全話ネタバレ!最終回結末と続編の制作は?

TOKYO MER走る緊急救命室を全話ネタバレ!最終回結末と続編の制作は?

視聴率が安定して人気である日曜劇場のドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の全話のネタバレを紹介していきたいと思います!

「TOKYO MER~走る緊急救命室~」は昨今の全10話のドラマが多い中、全11話で放送されるのですが、命を救うための救命が視聴者の胸に刺さります!

水を差すようなことを言えば、物語全体にはとくにストーリー性はなく、1話完結なのですが、その中で描かれる政治と命のやり取り。

最終回結末ではどうなるのか注目です!

「TOKYO MER~走る緊急救命室~」が配信されているParaviで、放送終了後からディレクターズカット版も配信されるかもしれません!

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それでは「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の1話から最終回結末までの全話のネタバレを紹介していきたいと思います!

ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」1話のネタバレ

横転したバスに乗り込む。すばやく容体を確認しながら、トリアージで応急処置が必要な負傷者を見極めていく。

衝突したトラックの助手席でメスを振るい、心肺蘇生を施す。冒頭20分近く緊迫感あふれるシーンが展開する。

MER(Mobile Emergency Room)、移動式のERに課せられた任務は「駆け付けた現場で死者を1人も出さないこと」。

誇張でもパフォーマンスでもなく、死の淵から人々を生還させることが医療者としての彼らのミッションだ。

日曜劇場で久々の医療ドラマとなった「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の第一印象は「強そうな人たち」。

鈴木亮平を中心に賀来賢人、菜々緒、中条あやみたちが並ぶビジュアルには、戦隊ヒーローのような力強さがみなぎっていたからだ。第1話では、喜多見幸太(鈴木亮平)という人間の成り立ちを通じて、TOKYO MERという組織の性格を浮き彫りにした。

東京都知事・赤塚梓(石田ゆり子)の特命で設置されたTOKYO MER。そのチーフドクターにして唯一の専属スタッフが喜多見である。

赤塚が「喜多見以外にいない」と断言するように、医師としてのスキルは驚異的で、的確かつスピーディーに患者を処置する。屈託のない笑顔と仕事の合間に筋トレに汗を流す姿は、まるでアスリートのようだ。

戦隊ヒーローの真ん中にいて、まっすぐな正義感で皆から信頼されるレッド。ここまでヒーロー感を前面に出されると、かえって何か裏があるのではと勘ぐってしまうが、やはりと言うか喜多見には秘められた過去があった。

主演の鈴木亮平は『天皇の料理番』(TBS系)、『テセウスの船』(TBS系)で印象的な役柄を演じてきただけに、今作が日曜劇場初主演であることにやや意外な印象もある。

それでも、本作にかける並々ならぬ意気込みは随所から伝わってきた。鈴木の熱量が乗り移ったかのような喜多見は、ガスが充満する解体現場にもためらわず身を投じる。

実は喜多見は少年時代にアメリカで銃乱射事件に遭遇しており、母親は搬送されずに喜多見の目の前で命を落としていた。

そのことが喜多見を「患者が搬送されてくるのを待つのではなく、助けを求めている人のところに自ら向かう医師」に変えたのだ。

赤塚が「TOKYO MERの理念」と言いきる喜多見を中心に、「最悪のチーム」がどのように救急医療のプロフェッショナル集団に変貌していくかは今後の見どころになるだろう。

麻酔科医の冬木治朗(小手伸也)、研修医の弦巻比奈(中条あやみ)、看護師の蔵前夏梅(菜々緒)とホアン・ラン・ミン(フォンチー)、臨床工学技士で救命士の徳丸元一(佐野勇斗)は、それぞれの思いを抱えて集結。

さらに、喜多見たちをサポートする危機管理対策室の駒場卓(橋本さとし)や千住幹生(要潤)率いるレスキュー隊、喜多見と旧知の間柄の高輪千晶(仲里依紗)などTOKYO MERを取り巻く人々のドラマからも目が離せない。

なかでも注目は医系技官の音羽尚(賀来賢人)。喜多見との火花を散らすようなやり取りは必見だ。

すでに明らかになっているように、音羽はTOKYO MERの解体を目論む厚生労働大臣・白金眞理子(渡辺真起子)が送り込んだスパイ。当初から裏切り者が明らかになっていることに加えて、音羽自身が喜多見への敵意を隠そうとせず衝突は避けられない状況。

赤塚や喜多見もそのことを察して、なお困難なミッションを選択したわけで、つまりは正面突破でTOKYO MERを認めさせる以外に道はないのだ。

政治家同士の利害対立や過去の因縁が渦巻く中で、それでも助ける命があるなら飛び込んでいく。

何がなんでも救うという信念は、この時代に特にまぶしく映る。

命を救う人間はヒーローだ。『TOKYO MER』はそのことを何よりも雄弁に知らせてくれる。

※「TOKYO MER~走る緊急救命室~」を全話観れる動画配信は「Paravi」で行われています。

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」2話のネタバレ

事故は日常に潜んでいる。1人でも多くの命を救うため、彼らが選んだのは「今、ここ」で助けること。

初回に続いて第2話も出動場面からスタートした。

第2話では研修医の弦巻比奈(中条あやみ)にスポットライトが当たった。

チーフの喜多見幸太(鈴木亮平)を中心に、早くもチームとしての一体感が出てきたTOKYO MER。

その中で1人だけ乗り切れずにいる比奈。

落下事故の現場でクラッシュ症候群の患者を見逃してしまったことで自責の念に駆られる。

日々、命と向き合う医療従事者は、どうやってモチベーションを保てばよいのだろうか?

鉄骨を吊り下げたクレーンの下のオペは、並の神経の持ち主なら耐えられないだろう。

比奈が打たれ弱いのではなく、喜多見たちがタフなのだ。

これまでに習った常識と実際に起きていることのギャップに思考停止状態に陥る比奈。

目の前の現実に気持ちが追い付かない。

追い討ちをかけるように、厚労省医政局長の久我山秋晴(鶴見辰吾)は、TOKYO MERの解体を目論む白金厚生労働大臣(渡辺真起子)の命を受けて「MERの一番弱いところ」である比奈を狙い打ちにする。

比奈の失点を意図的にマスコミに漏洩し、報道を受けて医療安全委員会に比奈の処遇が委ねられる。

「なんで私がMERに選ばれたのでしょうか?」と、もう辞めたいと肩を落とす比奈に、上司の高輪千晶(仲里依紗)が言った台詞が素晴らしかった。

「ミスしたんだったら見返してやれば? 自分を」

「自分の弱さを見つめることも大事だけど、とことんやりきってからじゃないと、本当に弱くなる」

「自分のふがいなさに腹が立ってるんだったら、まだやりきってないってことだよ」。

失敗して落ち込んだり、前向きになりたいけれどなれない時に、最初にやることはちゃんと立つこと。

千晶が口にしたのは、比奈の心にのしかかった重しを取り除く魔法の言葉だった。

偶然ではなく、喜多見と同じように「先輩ぶってみました」と冗談めかす千晶の優しさが沁みた。

比奈のMER配属を希望したのは喜多見で、喜多見は比奈の医師としての資質を見抜いていた。

「あなた以外に今、その人を救える人はいませんよ」。

覚悟を決めた比奈は事故現場での執刀に踏み切る。

目の前の命を救うために、何をしなければならないか。

比奈の臆病さは、どうすれば患者を助けられるか理解し、認識するところから来ている。

しかし、喜多見が見込んだのは比奈の判断力だけではなかった。

比奈が医者になったのは「人の命を救いたいから」。

「当たり前なんですけど、意外と少ないと思うんですよね、ただ純粋に人の命を救いたいって医者は」とは喜多見の弁。

最善を尽くしても結果が出ない時、医師である自身を鼓舞するのは目の前で待っている患者の存在だ。

勇気を振り絞ってメスを握る比奈には、絶対に患者の命を救うという思いしかなかった。

自信を失いかけた比奈は、弱さを見つめるところで立ち止まらずに、自分を信じてくれる患者のために自らの仕事をやりきった。

どんな人間が土壇場で力を発揮するかは、外から見ただけではわからない。

顔面蒼白で脂汗を浮かべた中条の迫真の演技が、そのことを雄弁に物語っていた。

人の命以上に正しいものなどなくて、今こうしている間にも、全国の病院で懸命に医療活動に従事する医師や看護師がいる。

『TOKYO MER』が、目の前の命を救うという明白な論点を前にして常に決断を突きつけられている彼らへの賛歌として響くことを願う。

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」3話のネタバレ

事件、事故、災害、縦割りの弊害。命を救おうとする先に立ちはだかるのは、時間だけではない。

第3話は、手に汗握る救出劇を通じて、このドラマが伝えようとするものを余すところなく表現した。

今回の舞台は立てこもり事件現場。出動要請を受けて駆け付けた先には、すでに警察が到着していた。

負傷者のトリアージに向かう喜多見(鈴木亮平)を、SITの新井(山田純大)が制止する。これまでにハイパーレスキュー隊や厚労省と衝突してきたTOKYO MERは、警察と立てこもり犯を向こうに回し、銃弾の飛び交う中、救護活動に全力を尽くす。

立てこもり犯・品川(川島潤哉)の要求は別れた家族との復縁。娘の日葵(加藤柚凪)を人質に取り、拳銃を持って元妻の働く飲食店で凶行に及んだ。

しかし、日葵にはI型糖尿病の持病があって……。

第3話の主役は、看護師の夏梅(菜々緒)だ。病棟とMERを兼任する夏梅は、シングルマザーとして多忙な日々を過ごしている。

ある日、1人娘の桃花(北平妃璃愛)を預ける保育園で気がかりな話を聞く。保護者の一部に、桃花を休ませてほしいという声があるというのだ。

保育士によると「感染症とか、そういうのに敏感な方がいまして」。

医療従事者への心ない差別に胸が痛む。現実にも同じような話はあって、ドラマを通じて差別解消への理解を呼びかけていた。

インシュリン注射をしたことで血糖値が急激に下がり、このままでは命の危険も迫る日葵。同じ娘を持つ母として、日葵の母親に代わって夏梅が人質となり、日葵の治療に向かう。

だが、必要な処置をしても容体は一向に良くならない。原因は、品川が食べさせたチョコレートに含まれるアーモンドパウダーだった。

日葵にはアーモンドのアレルギーがあり、娘の病気は知っていても、アレルギー体質は知らない父親像に家族との距離が表れていた。

犯人と警察、MERの対峙は、途中、夏梅の救出に入ったSITの隊員が撃たれたり、危機管理対策室と警察司令部の後方対決など、いくつかのラインが輻輳しながら立ち現れ、犯人の要求によってふたたび人質となった夏梅に戻ってくる。

ここで思うのは、菜々緒に対する周囲の信頼の厚さである。MERの看護師という役どころではあるが、シングルマザーという背景を持ち、医療職のプロフェッショナルな所作に加えて、傷害事件の現場というハードな場面での起用。

体当たりのアクションもあり、演者としての要求レベルは相当高いにもかかわらず、機敏に、なおかつ実際に事件が起きているようなリアリティで演じきった。

『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)をはじめ、多くの作品で印象的な演技を披露する菜々緒だが、あらためてプロ意識の塊のような人であると再認識した。

テンポとスピード感で魅せる『TOKYO MER』のコアには、黒岩勉の脚本がある。『グランメゾン東京』(TBS系)、『危険なビーナス』(TBS系)など、このところ1年に1作ペースで日曜劇場に登板する黒岩だが、オリジナルストーリーの本作は、考えるより先に視覚で圧倒する新味で勝負している。

しかし、それもよく見ると、細かいギアチェンジによって視聴者を飽きさせない工夫をしつつ、いくつかのラインを行き来しながら自然に物語の筋に乗せていく職人技が根底にある。

ジャンルは異なるが、黒岩の出世作になった『僕のヤバイ妻』(カンテレ・フジテレビ系)にも通じる“ノッている”感覚があり、新たな代表作になる予感がする。

「軽傷者12名、重傷者3名、死者はゼロです!」。

恒例になった死者ゼロ報告を見ているうちに、「本当はこうじゃないといけないのだ」としみじみと感じた。

当たり前のように亡くなった人の数が報じられる現在、私たちが本当のところ待っているのは「ゼロ」の報せであり、同時にそれは、目の前の命を救うため日夜懸命に挑む人々の悲願でもある。

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」4話のネタバレ

第4話で取り扱われたのはトンネル事故と臓器移植だった。

トンネル崩落事故が起き、通行止めになったトンネル内に移植手術のために臓器を運搬中の小山医師(高橋ユウ)が閉じ込められた。

手術室で到着を待つ少女、汐里(福室莉音)のために、喜多見(鈴木亮平)はハイパーレスキュー隊の千住(要潤)と決死の救出を試みる。

天井版の落下は、9年前の事故を思わせる。

トンネルだけでなく、道路や橋、下水道などのインフラは老朽化が進み、多くが耐用年数を過ぎようとしている。

また、臓器移植を希望して待機中の患者は全国で約1万4千人いるといわれており、そのうち実際に移植を受けることができるのは年間約400人。

何が言いたいかというと、ドラマで起きたことは現実に十分起こり得るということだ。

第4話のテーマは「命のリレー」。目の前の命を救うためには、他の命を犠牲にしなければならない。

医療ドラマで頻繁に目にする光景だ。

本来、命の重さに優劣はないはずだが、それでもどちらかを天秤にかけなくてはならないジレンマが、多くのドラマ的展開を生み出した。

そんな決まりきった筋書きを「TOKYO MER」は鮮やかに超えていく。

いつ新たな崩落が起きてもおかしくない状況で「助けを待っている人がいるなら行く」(千住)。

二次被害を考えたら行かせないのが正解であり、「俺と同じ過ちを繰り返させるわけにはいなかない」と考える室長・駒場(橋本さとし)の判断は妥当である。

それでも千住は助けたいと言い、駒場もそれを許す。

理由は「今行かなかったら、俺は一生後悔します」。

後悔するのは行かないという判断をしたことでも、行けなかった自分に対してでもない。助けられる命があったという可能性に対してだ。

命を省みない人間を「向こう見ずで、思慮に欠ける」と笑う時、私たちが見落としていることがある。

誰かを助けるために、他の誰かが犠牲になることを仕方がないと思っていないか?

「命のリレー」でバトンを託す人間は決して息絶えてはならない。

生きてバトンを渡すことが命をつなぐことで、そのためには、誰の命も失うわけにはいかないのだ。

駒場が「行け!」と千住を送り出す時、「止めても無駄ですよ」と喜多見が笑う時、そこには必ず生きて戻るという覚悟がある。

「命のリレー」は信頼でつながっている。

手術を断念しかけた千晶(仲里依紗)に喜多見は余計なことを言わない。

だが、それで十分だった。「命のリレー」の最終走者は患者自身だ。

「心臓を提供し、運んで守り抜いてくれた全ての人たち」の手でつながれたバトンが、最後に奇跡をもたらした。

命のリレーは元夫婦の絆を再確認した。互いを理解し合う喜多見と千晶の間に何があったのか?

「空白の1年」をめぐる疑惑が再燃するかたわらで、喜多見とMERの奮闘は続いていく。

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」5話のネタバレ

第5話は政治案件。エレベーターが事故で急停止する。

乗っていたのは、喜多見(鈴木亮平)の妹・涼香(佐藤栞里)と妊婦の立花あやの(河井青葉)、音羽尚(賀来賢人)に大物政治家・天沼夕源(桂文珍)。

制御盤からショートした火花が引火し、煙がエレベーター内に充満する。一酸化炭素中毒による命の危険が迫る中でMERに出動命令が下される。

「ただ偉くなりたかっただけですよ」。医師でありながら官僚になった理由を音羽は涼香に語る。

TOKYO MER解体をもくろむ厚労省のスパイと、危険をかえりみず災害現場に飛び込む救急救命のエキスパート。

敵か、それとも味方か。2つの顔を持つ音羽に対して、MERのメンバーだけでなく、私たち視聴者も態度を決めかねていた。

エレベーターで起きた出来事は音羽に医師としての決断を迫り、彼自身の原点を思い起こさせた。

「官僚っていうのは、みんな優秀なものなのよ。でもバカなことをしなくちゃいけないものなの。命令する政治家がバカだから」。

赤塚都知事(石田ゆり子)の痛烈な皮肉だ。国民の手足となって働く官僚は、国民の代表である政治家に従わなくてはならない。

その肝心の政治家がだらしないとどうなるか。都知事の国政進出への言及は言うまでもなく、民自党幹事長役・桂文珍の風刺の効いた演技が時勢への批評になっていた。

医療と政治の関係に光を当てる『TOKYO MER』は、コロナ禍の現在においてタイムリーであることはもちろん、今後の医療ドラマにとって試金石となる作品である。

災害現場で傷病者の把握から緊急手術までをワンストップで行うMERは医療の理想像を具現化した組織だ。

しかし、都知事の専権によって設置されたため、法的な根拠づけに乏しい上、赤塚と白金厚労大臣(渡辺真起子)による政治家同士の綱引きや国と地方の対立も相まって、その存続は危うい均衡の上に成立している。

こうした組織構造に加え、MERが新たに提起する医療の問題(その多くは災害現場で従来の限界を超えた医療行為を行うことへの危惧である)が、その都度、喜多見たちの前に立ちはだかる。

音羽はこうしたダイナミズムの中心にいる人物である。エレベーターに乗り合わせた医師が2人の患者のどちらを救うべきかという倫理的問題は、医師が官僚であり、患者の1人が政治家だった場合に(さらに政治家自身は仮病でもある)、職業上の義務と良心の間のジレンマに変わる。

命の危機が迫る密室内で、恥も外聞もなく保身と良心の両極を揺れ動く賀来の演技がリアルだった。

最終的に音羽は臍帯脱出に至った妊婦を優先的に処置する決断をする。

医師として当然の判断のようだが官僚としては自殺行為で、危機的な状況で背中を押したのは、チーフの喜多見の言葉だった。

「あなたの判断に任せます。あなたは医者ですから」の医者は、単に職業的な優先度を意味するものではなく、命を最上位の価値とするメッセージが込められていた。

またしても信頼が命をつないだわけで、「死者ゼロ」には生まれていない赤ん坊も含まれる。

医療と政治をめぐっては喜多見も渦中の人物であり、彼の存在自体がMERの爆弾になっている。

医療の政治的な側面が「人」の資質に帰着するということは、裏返せば、医療がいかに人間的なファクターに左右されるかの証拠でもある。

MERの理念そのものである喜多見が、政治的な難題にどんな答えを出していくか注目したい。

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」6話のネタバレ

ひとくちに東京と言ってもかなり広い。島しょ部をのぞいて東西約90キロで、高低差も2000メートルを超える。

第6話は、山岳救助に向かった先で父と子の絆を確かめる内容となった。

喜多見(鈴木亮平)の機転で大物政治家の点数稼ぎに貢献し、当面の存続が決まったMER。

白金厚労大臣(渡辺真起子)は、MERの自滅を狙ってメンバーを分断しようとする。

「あのチームは喜多見が全て」という白金の言葉を受けて、音羽(賀来賢人)も「喜多見チーフという規格外の存在がいるから、上手く行っているだけですよ」、「他のメンバーだけでは何もできませんよ。我々は喜多見チーフのように特殊な人間ではないですから」と言葉を継ぐ。

強いチームはリーダーが強いから強くなるのか?それとも何か他に理由があるのか。

第6話では、奥多摩の山中で小学生18人が遭難。周辺には医療機関がなく予防事案としてMERに出動要請が寄せられる。

子どもたちは10時に入山し、11時48分に連絡が途絶えていた。児童のリストに目を通していた冬木(小手伸也)の顔色が変わる。

そこには別居中の息子・壮太(潤浩)の名前があった。

喜多見は危機管理対策室の命令を無視し、チームを3つに分ける。白金たちの意図を知る音羽は、自ら敵の術中にはまりに行くかのような喜多見に反対するが、喜多見は意に介さず山中へ向かうことに。

「俺は音羽先生やみんなを信じてます」という喜多見の言葉に戸惑いを隠せない音羽。

結果的に比奈(中条あやみ)も音羽もそれぞれが的確な判断を下し、連携を取り合うことで児童全員を救出することに成功した。

メンバーを信じた喜多見の読みが当たった形になったが、ひょっとすると喜多見はこうなることを見越していたのではないか。

最悪の場合、自分が駆け付けて救助するが、そうなる前にメンバーがそれぞれの特技を生かして、適切に対応するはずだと。

実際、これまでの経験を通じて音羽や比奈、また看護師の夏梅(菜々緒)、ミン(フォンチー)、そして臨床工学技士の徳丸(佐野勇斗)は現場を任せられるだけの力をつけており、喜多見は各自の力量を正確に把握していた。

唯一誤算があったとすれば、遭難した児童の中に壮太がいたことで、実父の冬木は息子を救うために危険を冒して無茶をする可能性がある。

案に違わず、壮太を追って冬木は単独行動に出るが……。天候の急変や地形、動物との遭遇、山には危険が付き物である。

18人もの児童がコースアウトしてしまった要因はスズメバチの襲撃。ちなみに毎年平均で20人以上がスズメバチに刺されて死亡しているので注意が必要だ。

チームと個人の理想的な関係性を問う中で挿入された父と子のエピソード。

離れて働く父を尊敬していた壮太に、冬木が「パパの自慢のヒーローだ」と抱きしめる一幕に思わず目頭が熱くなった。

強いチームに理由があるのかという問いへの答えは、スーパーマンである必要はないということ。

強いリーダーにエンパワーされて、一人ひとりが持ち味を発揮することでチームは強くなる。

その根底には「誰にだってできることはある」という考えと、使命感でつながったメンバーへの信頼がある。

絶体絶命の窮地で全員が勢ぞろいする場面や「秘密兵器」ドローンの導入など、命を救うために立ち向かうヒーローのオーラが増す一方で、次なる危機がMERを襲おうとしていた。

赤塚都知事(石田ゆり子)に生じた異変や喜多見の「空白の1年」に対する追及など、不確定要素だらけの状況で、それでも目の前の命と向き合っていく。

赤塚が「もっと強くなってもらわないと困ります」と言うように、ヒーローがその肩に担うものは大きいのだ。

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」7話のネタバレ

第7話からは、その喜多見の“空白の1年”を追う新章のキーパーソン、公安刑事・月島しずか(稲森いずみ)が登場。

そして、喜多見に近づく謎の男・椿の登場により、物語は大きく動きだす。

第7話で喜多見たちTOKYO MERは、清掃会社で起きた集団食中毒事件の現場に出動。

しかしそこにいたのは不法就労で働く外国人労働者と、多くの警察官たちだった。さらに、救助中に起きた爆発事故により大勢の負傷者が出てしまう。

その裏では、世界的なテロ組織・LP9が政府に無謀な要求を突きつけていた。政府が対応に苦慮する中、喜多見とTOKYO MERメンバーは、公安刑事・月島ら警察の制止を無視して傷病者たちの救命・救出を行い、一人の死者も出すことなく無事に事件は解決した。

しかし、事件現場には救急隊員に変装して喜多見に近づく謎の男・エリオット椿だ。事件の後、喜多見に「約束は果たしますよ、喜多見先生」という意味深なメールを送り付けた椿。

医師・喜多見とテロ組織の椿はどんな関係なのか。喜多見と椿が交わした“約束”とは何なのか。

椿はTOKYO MERの存亡を揺るがすキーパーソンとなっていく。

城田が演じるのはエリオット椿。TBSのGP帯連続ドラマに出演するのは『表参道高校合唱部!』(2015年放送)以来、また日曜劇場に出演するのは今作が初となる。

『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(2010年放送)で怪しさを纏ったヒールキャラクターを演じた城田が、本作で再び謎の男を演じる。

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」8話のネタバレ

MERがいてくれたら。災害現場に駆けつけて医療活動を行う彼らの存在が、今ほど必要とされている時はない。

第8話では、医療崩壊と自然災害の危機に瀕した現在の日本を映し出すような描写に思わず息を呑んだ。

前話で姿を現したエリオット・椿(城田優)。国際的テロ組織LP9のメンバーは、なぜ喜多見(鈴木亮平)に接触を図ろうとしたのか?

椿から喜多見に宛てられたメールは「『どんな命でも救う』相変わらずですね、先生」と再会を匂わせる内容だった。

公安が喜多見をマークする中、八王子の病院で停電による電源喪失事故が起きる。現場へ急行するERカーの車内で、音羽(賀来賢人)の発した一言がチームの危機を招く。

「私たちは互いの命を預けるような場面を何度も経験してきました。喜多見チーフが我々に隠しごとをしていたのならば看過できません」。

テロ組織との関与を尋ねる音羽に喜多見は沈黙で返す。喜多見の沈黙には理由があり、MERが正式に承認されるまで秘密を守ると赤塚都知事(石田ゆり子)と約束していた。

しかし、音羽は「今後私はあなたの命令には従わず、自分の判断で行動します」と喜多見に宣言。築き上げてきたチームワークにひびが入り、不穏な空気のまま現地に到着する。

停電と土砂崩れにより病院の非常用電源が落ち、患者全員を転院搬送させなくてはならない。過去最大級の豪雨に見舞われ、感染拡大で病床が逼迫する現実を思い起こすのに十分なシチュエーション。

ドラマの設定は病床数40人程度の小規模病院だが、それでも電気系統が遮断されれば何人も命の危険が迫る患者がいる。

現実に起きていることは搬送先が見つからず何時間も救急車の中で、あるいは自宅で待機し、その間必要な処置を受けることもできない。また家屋を流され、避難先で心細い思いをしている人も多い。

真っ暗な病院でかろうじてERカーから持ち出した電源で患者の状態を確認しながら、なんとか全員を外に連れ出そうとするMERの隊員たち。閉じ込められてしまった手術室のドアをこじ開け、患者をストレッチャーに乗せて運ぶ途中、勤務医の1人が怪我をしてしまう。

待合室のソファに寝かせられたおばあさんが、「電気が足りないなら私の(装置)を外してね。若い人たちを助けてあげて」と夏梅(菜々緒)に懇願する。

命の選別という言葉が頭をよぎる。医療機器はそこにあるのに使うことができない。突然、何もない状況に放り出され、生命の危険に直面する。

ぞっとするような状況だが、現に生じているのはこういう事態である。

悪夢のような状況に追い討ちをかけるように新たな崩落で道路が寸断。レスキュー隊の到着まで30分。

それに対して、ERカーの予備バッテリーは残り10分。ギリギリの状況で患者の命を守るために喜多見が取った方法は、自らの生命を危険にさらすことだった。

非常用電源を復旧するさなか、最期を悟ったのか、喜多見はメンバーに椿との間にあったことを打ち明ける。喜多見からすれば患者を守っただけだが、そのことで逮捕・投獄され、テロ組織の一員と見なされてしまった。

喜多見が「本当にすみませんでした」と詫びた直後、病院に明かりがともり、喜多見からの通信が途絶える。

降りしきる雨の中、無音があたりを支配する様子はまるでドラマの終焉を思わせるようだった。沈黙に抵抗するかのように心臓マッサージを続ける音羽が、物言わぬ喜多見に投げかける一言ひとことが見ているこっちにもまっすぐに刺さった。

「どんな命でも救う」と言って椿を助けた喜多見の思いを誰よりも知っていたのが音羽で、もどかしさと自らが負った職責の板挟みになりながら、必死に喜多見の背中を追いかけてきた。

だから喜多見も、何も言わなくても全てわかっている相手として、音羽に全幅の信頼を置いてきた。たとえ自らが裏切られる結果になっても、音羽ならきっとMERをあるべき方向に導いてくれる。

音羽の「待っているだけじゃ救えない命があります」という言葉は、喜多見の考えが正しかったことを証明していた。

なんだかとても美しいものを見せられた気がするが、現実に戻ると一刻の猶予もならない状況が目の前に広がっている。

「待っているだけじゃ救えない」。1人でも感染者を増やさないために、医療従事者ではない私たちにできることはあるのだろうか?

その答えは一人ひとりの行動にこそある。

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」9話のネタバレ

国益と人命、優先すべきはどちらか?第9話は大使館が舞台になった。

消火設備の点検中、消火用の二酸化炭素が噴出し、作業員に二酸化炭素中毒のおそれがあると通報が入った。

大使館や在外公館は条約による外交特権で、敷地内に入るためには大使の許可が必要になる。

入ろうとする喜多見(鈴木亮平)を音羽(賀来賢人)は「勝手に入れば国際問題になります」と押しとどめる。

不在の大使の許可が得られない中、赤塚都知事(石田ゆり子)が病床から救助の決定を下す。

医療ドラマとしての本作には3つの特色がある。空気に含まれる二酸化炭素は、濃度が3%で頭痛、めまい、吐き気が起こり、7%で意識を失い、20%を超えると中枢神経が損傷し死に至る。

これまでの各話では、自然災害や事故、建物の損壊など目に見える脅威が立ちはだかったが、第9話では目に見えない気体を相手に迫真の演技が繰り広げられた。

酸素ボンベやガスマスクを装着し、倒れている中毒患者にトリアージと応急処置を行う一連の動作は、本作を特徴づける息つく間もないスピードと一刻を争う緊迫感に満ちていた。

2点目として、生命の尊厳という大文字のテーマを正面から扱っていることが挙げられる。

そのことは各話のストーリーとTOKYO MERのミッションである「死者ゼロ」を通じて端的に表現されているのだが、倫理的で堅いテーマを大上段から説くのでなく、ほとばしる熱量とMERメンバーの絆によって表現する点が巧みだ。

命を救うのがヒーローというメッセージを通して、コロナ禍にあってごく自然な形で命の尊さを伝えている。

第9話では、喜多見とスピリットを共有するレスキュー隊隊長の千住(要潤)が、大使館の地下に取り残されながら決死の救出活動を行った。

災害現場で死の淵にある命を救うことは、同時に自らの命を死の危険にさらすことを意味する。

危機管理対策室長の駒場(橋本さとし)が「自分の命を優先させたらレスキューじゃないんだよ!」と叫んだとおりだ。

ヒーローマインドを体現する鈴木と要の演技には、わかっていても引き込まれる熱量があった。

政治的な側面がドラマの重要な伏線になっていることも見逃せない。国と東京都の対立を背景に、赤塚の特命で設置されたMERは当初から政治的な争点をはらんでいた。

ここに喜多見個人の履歴を重ねることで、二重の意味でMERは政治案件として扱われる。

実在の人物や外国人労働者の問題、大使館の外交特権は医療と政治がせめぎ合う領域だ。

ともすると単調になりがちな医療ドラマにサスペンス色を加えるとともに、守るべきものとしての生命と国益に代表されるその他の価値を対置することで、重層的にテーマに迫っている。

医療と政治の間にまだまだ掘り下げるべき内容があることを明らかにした。

国益か、それとも目の前の命か。「我々は目の前の命より、もっと大勢の人々の利益を守らなければならない」とは白金厚労大臣(渡辺真起子)の言葉。

ただひたすら目の前の命を守ろうとした喜多見は、肉親の裏切りによって多くの人々から名指しで非難される。

誰を助けたかによって、その人の正しさが決まると考えるのは、救うべき命とそうでない命があると認めることに等しい。

本来、命に差別はないはずで、この明らかな矛盾を無視した時、すでに社会は崩壊へと一歩を踏み出している。

公安の月島(稲森いずみ)が指摘する「自分の命をかけて他の誰かを守ってきた人間が、ある日突然、守ってきた人々から石を投げつけられる」状況である。

ヒーローの失墜と、その混乱に乗じて動き出すテロリスト。

MERは何を守るべきなのか?そし、それを守りきることはできるだろうか?

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」10話のネタバレ

喜多見(鈴木亮平)の空白の1年が暴露され、MERは存続の危機に陥る。活動休止を求める声に「それはできません」と喜多見は即答。

「解散になるかもしれませんが、できる限りのことをしていくつもり」と言明する。ただし、メンバーに迷惑をかけないため「私1人でやれることをやらせていただきます」。

世間を敵に回して、たった1人の戦いが始まった。

関東医科大学の校舎に爆弾を仕掛けたとネットに書き込みがあり、予防的医療事案として喜多見は出動。

厚労省の技官でMERの解体を目論んでいた音羽(賀来賢人)は、「監督省庁の官僚として見届ける義務がある」と主張して喜多見に同行。

何のめぐりあわせか、MER解体の瀬戸際で結成された喜多見と音羽の最強バディに期待が高まった。

冬木(小手伸也)や比奈(中条あやみ)、夏梅(菜々緒)たち兼任メンバーが無線で見守る中、到着したキャンパスで爆破が起き、喜多見と音羽は負傷した学生の救護に向かう。

だが、状況はまったく予断を許さない。爆弾テロの主犯はエリオット・椿(城田優)で、椿は電話越しに教室内に協力者がいることを告げ、建物から出るなと指示。

出たらもう一つの爆弾が起動し、死者が出ると脅迫する。椿は、公安の南(三浦誠己)に民自党幹事長の天沼(桂文珍)が厚生労働大臣の時、関東医科大学を認可した際に裏金を受け取った証拠を公表するように要求。

また椿は喜多見に匿名のメールを送信していた。メールの文面は「爆破前に連絡する。変化があれば報告しろ」。

まるで仲間であるかのような文面には、喜多見をテロリストに仕立てる意図が読み取れた。

これまでの放送回では、命を救う人間はヒーローであるというメッセージが繰り返し発信されてきた。感染症によって多くの人が自宅や病院で闘病している現在、このことはどれだけ強調しても強調し足りない事実である。

では、寸暇を惜しんで診療や看護にあたってくださる医療従事者の方々の胸の内はいかばかりだろうか。第10話で孤立無援の状況で救護にあたった喜多見と音羽がその一端を教えてくれた。

教室に閉じ込められた学生たちは、SNSで喜多見がテロリストとして疑われていることを知る。喜多見は公安から椿について知っていることを吐くように言われる。

理解者がいない四面楚歌で、喜多見は「俺は医者です。命を救うのが仕事です」と救命措置に力を注ぐ。

学生たちは喜多見を疑い、資材の置かれた部屋に監禁。喜多見を信用できないという学生に音羽は「くだらない噂に振り回されてないで、あの人が何をするのか、その目で見て判断しろ!」と一喝。

戻ってきた喜多見の言葉が全てを物語っていた。

「俺たちは応援をされるためにやってるわけじゃない。どんな批判をされてもかまいません。だけど命を救うことには手を貸してほしい!」。

医者の卵である学生たちを信じて呼びかける言葉には、医療者としての矜持や誇りが込められていた。たとえ非難されても、命を救うためには全力を尽くす。

だから喜多見は椿を助けた。そんな喜多見の思いを椿は容赦なく踏みにじる。

1年前、椿が立ち去る前に喜多見にかけた言葉、「私を助けたことを必ず後悔させます」。その真意はあまりにも悲劇的なTOKYO MER発足後初の死者1名として明らかになった。

爆破予告も喜多見に送ったメールも、裏金の公表もすべてブラフで、本当の目的は別にあった。

「わかってほしかったんです。世の中は不条理だってことを」。それは喜多見の一番大切なものを奪うことだった。

生命に対して畏敬の念で接する喜多見に対して、椿は友情から仲間にしようとしたのではなく、憎悪に身を染めることでテロリストの側に引き込もうとしたのだ。

命を救うためにどんな危険もいとわない崇高な心にぬぐい去れない毒をさしのべること。生の対義語は死だが、私たちが死を恐れるのはそれが絶望をもたらすからだ。

絶望と恐怖によって生を支配するテロリストの本性がむき出しになった瞬間だった。

涼香を演じた佐藤栞里は、連続ドラマレギュラー出演は本作が初めて。ナチュラルな飾らない笑顔と『王様のブランチ』(TBS系)でおなじみの佐藤だが、本作の涼香は喜多見の空白の1年を知る家族として、またMERをそばで見守り、喜多見と音羽をつなぐ存在として回を追うごとにその重要度が増していった。

特に感情の機微を湛えた表情の演技は素晴らしく、俳優として活躍の場が広がりそうだ。

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ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」最終回のネタバレ

これまでの全てはこの1話のためにあった。最終話は、命を救うことへの深遠な問いを残して幕を閉じた。

涼香(佐藤栞里)を失い、喜多見(鈴木亮平)は生きる力をなくしていた。椿(城田優)の狙い通り、喜多見は医師として再起不能な状態に陥り、MERのメンバーの前でも弱気な発言が口をついて出る。

「俺たちがやっていたことは本当に正しかったんですかね」。両親に続いて妹も救えなかったことで、喜多見は自分を責めていた。

そんな中、TOKYO MERの処遇をめぐって厚労省の最終審査会が開かれる。幹事長の天沼(桂文珍)は、献金疑惑に対する世間の目を逸らさせるため、審査会で音羽(賀来賢人)に喜多見とテロリストの関係を証言させ、大々的にマスコミに報道させようとしていた。

審査会でMERの存続を訴えようとするMERのメンバーを音羽は制止し、MERと関係を絶つように告げる。

時あたかも同時刻に世田谷の政府施設で爆発が起き、MERに出動要請が寄せられた。

最終話にして描かれたヒーローの挫折。さっそうと災害現場に駆けつけ、「死者ゼロ」を達成してきた喜多見の心は、涼香の死によって完全に破壊された。

一方で、チーフのいないMERのメンバーは災害現場で懸命に救護に当たるものの、かつてない爆弾テロを前にして次々と傷病者が運び込まれ、処置を待つ人々で現場は凄惨を極める。

その様子を知った音羽は用意していた証言を取りやめて話し出す。居並ぶ政治家や厚労省のトップを前に音羽が発した言葉。

「彼らはヒーローなんかじゃありません。MERのメンバーは単なる医療従事者です」から始まるそれは、かつて喜多見が発したものでもあった。

青筋を立て、眉間にしわをよせる天沼や白金厚労大臣(渡辺真起子)の眼前で、音羽は「MERは存続させるべきだ」と言い放つ。

音羽の変心は何だったのか。涼香は音羽の将来を案じて、久我山(鶴見辰吾)に喜多見の過去を話した。

音羽は、犠牲になった涼香の思いに応えることが自分の務めだと思ったはずだ。しかし、そうではなかった。音羽を変えたのは、子どもたちからMERに届けられたたくさんの絵と涼香が添えた「誰かのために頑張るMERのみんなが大好きです」という言葉で、助けを待つ人々を目にした時にその真意がはっきりと伝わったのだ。

涼香は誰かのために頑張る音羽が好きだったのであり、音羽が官僚として出世することが多くの人を救うことになると考えたから、兄を裏切ってでも音羽を助けようとしたのだ。

そうだとしたら、音羽が今すべきことは誰かのために頑張ることと、誰かのために頑張る人を助けることだ。

喜多見が口を酸っぱくして言っていた意味を、音羽ははっきりと理解した。

喜多見にとって涼香の存在は、医師である自分自身とダイレクトにつながっている。少年時代に両親をテロで亡くした喜多見にとって、医師として活躍することには両親を救う意味があり、それはただ1人残された妹を守ることで担保されていた。

喜多見をこの世につなぎとめる命綱が涼香であり、ある日突然それが奪われてしまったのだ。

生きる目的を失った喜多見は人が変わったようになってしまう。先が見えない暗いトンネルのような状態を、喜多見はどうやって切り抜けたのか。

元妻の高輪(仲里依紗)の言葉や現場で奮闘するメンバーの声に加えて、結果的に喜多見は「誰かのために頑張る」ことで自分自身を取り戻す。

それを使命感と言い換えても間違いではないが、シンプルに言えば、誰かを助けることで救われるのが人間という生き物なのだと思う。

大文字のテーマ、大きな物語を描く傾向のある日曜劇場で、『TOKYO MER』は救急医療という喫緊の課題に正面から向き合い、エンタメという軸をぶらさずに作品主義を貫いた。

現今の社会状況とリンクしながら、最後には医療者の背負う十字架も浮き彫りにした。死がそうであるように、生きることは元来、理不尽なものかもしれない。

それでもなお命を救う行為には善悪を超えた価値があり、とてつもない人間賛歌を見せられた実感がある。

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